記事は読売新聞(平成17年6月15日)より抜粋

正座しなくてもすむお茶の席が高齢者の人気を集めている。茶会用の畳台などを使って足を痛めた人も楽しめるようになっている。

お点前 足を楽なままで

東京都世田谷区で茶懐石教室「一宮庵(いっくあん)」を開く斎藤宗厚(そうこう)さん(63)は、半畳分の畳の下に木製の台(高さ40センチ)を取り付け、お茶の教室に用いている。
生徒はいすのように腰を掛け、足を下ろすことができる。また、数台を付けて畳の茶席をつくることもできる。
 この工夫をしたのは、高齢の生徒が年を取って足が悪くなり、「長時間、正座するのがつらい」と教室に来なくなったから。

数年前、一宮庵の土間にこの台を使った席を設けたら、「足が痛くならない」と好評だったという。テーブルといすを用いた「立礼(りゅうれい)」と呼ばれる茶席はあるが、畳を使うことで、「移動式でもあるので自在に和の雰囲気が楽しめる。さらに畳立礼の利点はその収納力です」と斎藤さん。

 高齢者の外出の現状・意向と外出支援策について調査した第一生命経済研究所研究員の水野映子さんは「茶室や寺院など伝統的なところで正座しなくて済むようになると、高齢者の外出につながると思う」と話す。