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 浅間山麓にて
 
 本郷さんの来洞をいただきました。柿右衛門の赤を連想させる薔薇図のカップと彼のおばあちゃんのコレクションであった油壺をプレゼントされました。油壺はどうみても江戸後期から明治初期の錦手花絵伊万里。

 江戸時代どこの家にもいくつか転がっていた小壺ですが、浅間山麓の蛍袋の一輪がとても似合いそうです。
 彼とは二晩語り合いましたが、気になったのが質素な文字盤の腕時計。
 なるほど、 おじいちゃん形見のスイス時計でした。  

 雑木林の複雑な造形をした蔦を、しばし眺めていた本郷さんでした。

窓辺の本郷さん

 ある時はリキュール、そして今日は蛍袋の一輪挿し。一器三様の知恵が使い手と作家を直結するのです。絵付けされたヤマメがいまにも動き出しそうです。
 そう、グラスのわずか100メートル先には山の栄誉分をいただいているヤマメが泳いでおります。

 浅間山の我が家の定番となった草津杜氏の仕込みは、皮膚に食い込んでくるような味でした。果実酒という魔物は、甘酸っぱくも痛切な感傷に走らせる悪癖もあるようです。

 ただそこに四季折々の雑木林が広がっているだけで、その悪癖とお付き合いしているだけなのですが‥‥‥

 枳殻(からたち)、五味子、ザクロ、サルナシなどが詰まった我が酒瓶はさながら果実園であります。

 今日は一輪挿しですが、このグラスで呑む五味子酒は格別です。

 

作品 グラス

 
 ワン公との散歩のときに見つけた小花をちょいとグラスへ。このグラスはときどき冷凍庫に入ってます。そうトロトロになったウオッカと仲良しアイテムなのです。

 

 

本郷さん

野花にそうっとレンズを向ける本郷さん。

 
 かのジョン・レノンが一時期軽井沢に住んでおりましたが、そのとき好んで登った丘。あたりは本郷さんの素材の宝庫でもありました。

 

 

 

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